新・富嶽三十六景 | 徒然走稿

新・富嶽三十六景

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「新・富嶽三十六景」
新年一番のツーリングは山梨県・東桂から山中湖へ抜ける鹿留林道(ししどめりんどう)の二十曲峠を越えることにしている。この時期の林道はたいてい凍結しているので、初ランと同時に初ゴケも体験することになるのだが、何度こけても新年一発目はこの峠でなくてはならないのは、ここからの富士の眺めが、あまりにも雄大だからである。富士山は、ぐるりと一周、その外周、そのまた外周と数多くのビューポイントからそれぞれに風情のある姿と見せてくれる。が、たっぷりとした裾野、背景は青空のみ、きーんと冷えた冬の空気の中、二十曲峠からの富士の姿は、『雄大』ということにかけては他に引けを取らないと思う。それが証拠に、このポイントから富士を撮ろうと沢山のレンズが雁首を並べている。峠からの富士が一番いいのは東側に太陽がある時間。特に朝焼け時には赤富士が見事だと言う。
しかし、冬は特に布団から出たくない私は、今年も逆光の富士に出会うことになるのである。

●二十曲峠
最寄り駅/富士急行・東桂駅
車/東富士五湖道路・山中湖北ICを降りて北へ。内野交差点を右折。道なりにつづらを登って行く。東桂方面からは鹿留林道経由で行くことが出来るが冬期は凍結するため閉鎖していることが多い。

杠 聡 イラストライター
かくして、無事引っ越しは完了。開発から取り残されたかのような(残されたんだけど)この家の窓の外は、人工建造物よりも木々の占める割合が多い。夜など真っ暗で窓から何も見えない。家の前の土手を上ると、ここからも富士の姿を拝むことが出来る。開発の手は雑木林の向こうまで迫っているが。もうしばらくは、この風景の中に居たいと思う。